九大2024年院試の熱工学を解いてみました
4月に公開された2024年実施の院試問題を解いてみました。九大の熱工学は3問で、問(Ⅰ)はサイクル、問(Ⅱ)は熱伝導方程式の解法、問(Ⅲ)は熱交換器から出題されました。
問(Ⅰ)(1)(2)は下図の通りです。設問では、この後、サイクルの入熱量や仕事を求めさせますが、計算量が多いため、式の変形は誤記の無いように慎重に進めたいところです。問(Ⅰ)の最後の2設問(6)(7)では、仕事と熱効率を、変更前後のサイクルで比較させますが、計算式で比較していくと複雑になり思わぬ時間を費やすことにもなりかねません。あまり時間をかけずに、しかも的確に回答する方法もあります。
問(Ⅱ)の熱伝導方程式の解法も計算量が多くなる問題です。境界条件の与え方を考えて計算していく必要があります。発熱を伴う物体の熱伝導問題では、温度分布が2次曲線になることを知っておくと境界条件が与えやすくなります。
問(Ⅲ)では熱交換器内の高温流体と低温流体の温度分布の形状が問われており、分布形状を正しく表すためには、対向流型熱交換器の高温流体と低温流体の熱容量流量の大小関係と分布形状を理解しておく必要があります。試験時間中に関連する諸式を導出することは困難です。高温流体と低温流体の温度差の式や、対数平均温度差の式は覚えておく必要があります。ただし、問(Ⅲ)は隔年で熱交換器と湿り蒸気の問題が交互に出されていますので、2025年実施の試験では熱交換器は出題されないかもしれません。

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